真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺

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‡ Asibandhakaputtasutta ―死者を救うことは出来ない

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1.日本語訳

『アシバンダカプッタ・スッタ』

ある時、世尊はナーランダー近くのパーヴァーリカのマンゴー林に留まっておられた。その時、村長アシバンダカプッタは世尊の御下に往って近づき、礼拝してから傍らに坐した。傍らに坐してから、村長アシバンダカプッタは世尊にこのように申し上げた。

「大徳よ、水瓶を携え、水草で編んだ花環を着け、沐浴行を行い、火を祀る西方の婆羅門らがあります。(それらの行いによって)彼らは死者を去らせ、なだめ、天界に生まれ変わらせるといいます。しかし、大徳よ、世尊・阿羅漢・等正覚者もまた(西方の婆羅門らと)同じように、すべての世間の人が身体が壊れて死んで後、(彼らを)善き世界である天界に生まれ変わらせることが出来るのでしょうか。」

(佛陀はこれに答えられて言われた。)
「よろしい、では村長よ、逆にこれについて尋ねるから、あなたの思うように答えなさい。」

「村長よ、ここに生き物を殺し、盗みを行い、不適切な性交渉をなし、嘘をつき、(他人を)仲違いさせ、粗悪な言葉を放ち、無駄口を叩き、強欲で、悪意あり、悪しき思想を抱く者があったとしよう。そこに大勢の人々が集まって一緒になり、『この人が、身体が壊れて死んだ後、善き世界である天界に生まれ変わりますように』と懇願し、称賛し、合掌してグルグルと(その人の周りを)廻ったとしよう。」

「村長よ、あなたはどのように思うであろうか。その者は、大勢の人々が『この人が、身体が壊れて死んだ後、天界に生まれ変わりますように』と懇願し、称賛し、合掌し、グルグルと(その人の周りを)廻ったことで、身体が壊れて死んだ後に、善き世界である天界に生まれ変わるであろうか。」

(村長アシバンダカプッタは佛陀に答えて申し上げた。)
「いいえ、そんなことはありません、大徳よ。」

「では村長よ、ある者が大きな石を深い池の中に投げ入れたとしよう。そこに大勢の人々が集まってきて一緒になり、『おい、石よ!浮かび上がって来よ。おい、石よ!岸に上がって来い』と懇願し、称賛し、合掌してグルグルと(その池の周りを)廻ったとしよう。」

「村長よ、あなたはどのように思うであろうか。その(池に沈んだ)石は、大勢の人々が集まってきて一緒になって懇願し、称賛し、合掌してグルグルと(その池の周りを)廻ったことで、底から浮かび上がったり、水面に出たり、岸に上がったりするであろうか。」

「いいえ、そんなことはありません、大徳よ。」

「村長よ、まさにそれと同じことである。生き物を殺し、盗みを行い、不適切な性交渉をなし、嘘をつき、(他人を)仲違いさせ、粗暴な言葉を放ち、無駄口を叩き、強欲で、悪意あり、悪しき思想を抱く者があったとしよう。そこに大勢の人々が集まって一緒になり、『この人が、身体が壊れて死んだ後、善き世界である天界に生まれ変わりますように』と懇願し、称賛し、合掌してグルグルと(その死体の周りを)廻ったとしても、その者は身体が壊れて死んだ後、貧しく、惨めで苦しみあり、悪しき世界である地獄に生まれ変わるであろう。」

「村長よ、ここに生き物を殺すことを慎み、盗みを慎み、不適切な性交渉を慎み、嘘を慎み、(他人を)仲違いさせる言葉を慎み、粗暴な言葉を慎み、無駄口を慎み、強欲でなく、悪意なく、正しき思想を抱く者があったとしよう。そこに大勢の人々が集まって一緒になり、『この人が、身体が壊れて死んだ後、貧しく、惨めで苦しみあり、悪しき世界である地獄に生まれ変わりますように』と懇願し、称賛し、合掌してグルグルと(その死体の周りを)廻ったとしよう。」

「村長よ、あなたはどのように思うであろうか。その者は、大勢の人々が『この人が、身体が壊れて死んだ後、貧しく、惨めで苦しみあり、悪しき世界である地獄に生まれ変わりますように』と懇願し、称賛し、合掌し、グルグルと(その人の周りを)廻ったことで、その者は身体が壊れて死んだ後に、貧しく、惨めで苦しみあり、悪しき世界である地獄に生まれ変わるであろうか。」

「いいえ、そんなことはありません、大徳よ。」

「では村長よ、ある者がバターオイル〈醍醐〉の入った壺か油の入った壺を深い池の中に投げ入れ、その壺が割れたとしよう。その破片と壺の断片は沈み、一方バターオイルあるいは油は浮かび上がるであろう。そこに大勢の人々が集まってきて一緒になり、『おい、バターオイルよ!沈め。おい、バターオイルよ!水没せよ。おい、バターオイルよ!水中に潜れ』と懇願し、称賛し、合掌してグルグルと(その池の周りを)廻ったとしよう。」

「村長よ、あなたはどのように思うであろうか。その(水面に浮かんだ)バターオイルは、大勢の人々が集まってきて一緒になって懇願し、称賛し、合掌してグルグルと(その池の周りを)廻ったことで、沈んだり、水没したり、水中に潜ったりするであろうか。」

「いいえ、そんなことはありません、大徳よ。」

「村長よ、まさにそれと同じことである。生き物を殺すことを慎み、盗みを慎み、不適切な性交渉を慎み、嘘を慎み、(他人を)仲違いさせる言葉を慎み、粗暴な言葉を慎み、無駄口を慎み、強欲でなく、悪意なく、正しき思想を抱く者があったとしよう。そこに大勢の人々が集まって一緒になり、『この人が、身体が壊れて死んだ後、貧しく、惨めで苦しみあり、悪しき世界である地獄に生まれ変わりますように』と懇願し、称賛し、合掌してグルグルと(その死体の周りを)廻ったとしても、その者は身体が壊れて死んだ後、善き世界である天界に生まれ変わるであろう。」

このように説かれたとき、村長アシバンダカプッタは世尊にこう申し上げた。

「素晴らしいことです!大徳よ。素晴らしいことです!大徳よ。あたかも倒れたものを起すかのように、覆い隠されたものを明らかにするかのように、迷った者に道を示すかのように、暗闇で灯火をかかげて『眼ある者は諸々のものを見るであろう』とするかのように、まさしくそのように世尊は様々な仕方で法1を明らめて下さいました。」

「大徳よ、私は世尊に、また法に、また比丘僧伽に帰依しいたします。大徳よ、私を優婆塞1として、今より以降一生涯にわたって世尊は受け入れて下さいますように。」

日本語訳:沙門覺應 (慧照)
(Translated by Bhikkhu Ñāṇajoti)

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