真言宗泉涌寺派大本山 法樂寺

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‡ 慧警 『無畏三蔵禅要』

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1.原文

第八羯磨門
諸佛子諦聽。今爲汝等羯磨授戒。正是得戒之時。至心諦聽羯磨文
十方三世一切諸佛諸大菩薩。慈悲憶念。此諸佛子。始從今日。乃至當坐菩提道場。受學過去現在未來一切諸佛菩薩淨戒。所謂攝律儀戒。攝善法戒。饒益有情戒。此三淨戒具足受持 如是至三 至心頂禮

第九結戒門
諸佛子等。始從今日。乃至當證無上菩提。當具足受持諸佛菩薩淨戒。今受淨戒竟。是事如是持 如是至三至心頂禮

第十修四攝門
諸佛子等。如上已發菩提心。具菩薩戒已。然應修四攝法及十重戒。不應虧犯。其四攝者。所謂布施愛語利行同事。爲欲調伏無始慳貪。及饒益衆生故應行布施。爲欲調伏瞋恚憍慢煩惱。及利益衆生故應行愛語。爲欲饒益衆生。及滿本願故應修利行。爲欲親近大善知識。及令善心無間斷故應行同事如是四法此修行處

第十一十重戒門
諸佛子受持菩薩戒。所謂十重戒者。今當宣説至心諦聽
一者不應退菩提心。妨成佛故 二者不應捨三寶歸依外道。是邪法故 三者不應毀謗三寶及三乘教典。背佛性故 四者於甚深大乘經典不通解處。不應生疑惑。非凡夫境故 五者若有衆生已發菩提心者。不應説如是法令退菩提心趣向二乘。斷三寶種故 六者未發菩提心者。亦不應説如是法令彼發於二乘之心。違本願故 七者對小乘人及邪見人前。不應輒説深妙大乘。恐彼生謗獲大殃故 八者不應發起諸邪見等法。令斷善根故 九者於外道前。不應自説我具無上菩提妙戒。令彼以瞋恨心求如是物。不能辦得令退菩提心。二倶有損故 十者但於一切衆生。有所損害及無利益。皆不應作及教人作見作隨喜。於利他法及慈悲心相違背故 
已上是授菩薩戒竟。汝等應如是清淨受持。勿令虧犯

已受三聚淨戒竟

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2.訓読文

第八 羯磨門
諸仏子、諦聴。今、汝等が為に羯磨して授戒せん。正しく是れ得戒の時なり。至心に羯磨文を諦聴せよ。
十方三世一切の諸仏・諸大菩薩、慈悲憶念したまえ。此の諸仏子、今日より始めて、乃し當に菩提道場に坐すに至るまで、過去・現在・未来の一切の諸仏・菩薩の浄戒を受学すべし。所謂、攝律儀戒・攝善法戒・饒益有情戒。此の三浄戒、具足して受持すべし。至心に頂礼したてまつる。

第九 結戒門
諸仏子等、始め今日より乃し當に無上菩提を証するに至るまで、當に諸仏菩薩の浄戒を具足して受学すべし。今、浄戒を受け竟んぬ。是の事、是の如く持すべし。至心に頂礼したてまつる。

第十 修四攝門
諸仏子等、上の如く已に菩提心を発し、菩薩戒を具し已んぬ。然して応に四攝法及び十重戒を修すべし。応に虧犯すべからず。其の四攝とは、所謂布施1愛語2利行3同事4なり。無始の慳貪を調伏し、及び衆生を饒益せんと欲ふが為の故に、応に布施を行ずべし。瞋恚・驕慢の煩悩を調伏し、及び衆生を利益せんと欲ふが為の故に、応に愛語を行ずべし。衆生を饒益し、及び本願を満ぜんと欲ふが為の故に、応に利行を修すべし。大善知識に親近し、及び善心をして間断無からしめんと欲ふが為の故に、応に同事を行ずべし如是四法此修行處

第十一 十重戒門
諸仏子、菩薩戒を受持すべし。所謂十重戒とは、今ま當に宣說すべし。至心に諦聽せよ。
一には、応に菩提心を退すべからず。成仏を妨ぐるが故に。二には、応に三宝を捨てて外道5に帰依すべからず。是れ邪法なるが故に。三には、応に三宝及び三乗6の教典を毀謗すべからず。仏性に背くが故に。四には、甚深の大乘経典の通解せざる処に於て、応に疑惑を生ずべからず。凡夫の境に非ざるが故に。五には、若し衆生有りて已に菩提心を発す者には、応に是くの如き法を説て菩提心を退せしめ、二乗7に趣向せしむべからず。三宝の種を断ずるが故に。六には、未だ菩提心を発せざる者に、亦た是の如き法を説て、彼をして二乗の心を発せしむべからず。本願に違するが故に。七には、小乗の人及び邪見の人の前に対して、応に輒く深妙の大乗を説くべからず。恐らくは彼れ謗りを生じて大殃を獲るが故に。八には、応に諸の邪見8等の法を発起すべからず。善根を断ぜしむるが故に。九には、外道の前に於て、応に自から我れ無上菩提の妙戒を具せりと説くべからず。彼れをして瞋恨の心を以て是の如き物を求めしめんに、辦得すること能わずんば、菩提心を退せしめて、二り俱に損有るが故に。十には、但だ一切衆生に於て、損害する所有ると、及び利益無きをば、皆な応に作すべからず。及び人に教へて作さしめ、作すを見て隨喜すべからず。利他の法及び慈悲心に於て相ひ違背するが故に。
已上、是れ菩薩戒を授け竟んぬ。汝等、応に是の如く清浄に受持9すべし。虧犯せしむること勿れ。

已に三聚淨戒を受け竟んぬ。

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3.現代語訳

第八羯磨門

「諸仏子よ、あきらかに聴け。今、汝らの為に羯磨して授戒しよう。正しく今こそ得戒の時である。至心に羯磨文をあきらかに聴け」

「十方三世一切の諸仏・諸大菩薩よ、慈悲し憶念したまえ。この場にある諸仏子よ、今日より始めて、ついには菩提道場に坐すに至るまで、過去・現在・未来の一切の諸仏・菩薩の浄戒を受学せよ。いわゆる攝律儀戒・攝善法戒・饒益有情戒である。この三浄戒〈三聚浄戒〉を具足して受持せよ。至心に頂礼いたします」

第九結戒門

「諸仏子らよ、始め今日よりついには無上菩提を証するに至るまで、まさに諸仏菩薩の浄戒を具足して受学せよ。今、(汝らは)浄戒を受け竟ったのである。この事、この如くにたもつべし。至心に頂礼したてまつる」

第十修四摂門

「諸仏子らよ、上の如く已に菩提心を発し、菩薩戒を具備し終わった。そこで、まさに四摂法および十重戒を修すべきである。まさに犯してはならない。その四摂とは、いわゆる布施〈dāna. 与えること。分かち合うこと〉・愛語〈priya-vacana. 優しく思いやりのある言葉をかけること〉・利行〈artha-kriyā. 他の為に行うこと〉・同事〈samānârthatā. 他と共に行うこと〉である。無始以来のの慳貪を調伏し、および衆生を饒益しようと欲するために、まさに布施を行ぜよ。瞋恚・驕慢の煩悩を調伏し、および衆生を利益しようと欲するために、まさに愛語を行ぜよ。衆生を饒益し、および本願を満たそうと欲するために、まさに利行を行ぜよ。大善知識〈mahā-kalyāṇa-mitra. 偉大な良き友。自らを善へと導く人〉に親近し、および善心が途切れることがないようにと欲するために、まさに同事を行ぜよ」

第十一十重戒門

「諸仏子よ、菩薩戒を受持せよ。いわゆる十重戒とは、今まさに宣説すものである。至心にあきらかに聴け」

「一つには、まさに菩提心を退失してはならない、成仏を妨げることとなるためである。二つには、まさに三宝を捨てて外道〈仏教以外の思想・宗教〉に帰依しててはならない、それは邪法であるためである。三つには、まさに三宝〈仏法僧〉および三乗〈菩薩乗・縁覚乗・声聞乗〉の教典を誹謗中傷してはならない、仏性に背く行為であるためである。四つには、甚深の大乗経典の(自身が)理解できない点について、疑惑を生じてはならない、それは凡夫の境涯でないためである。五つには、もし衆生の中ですでに菩提心を発している者には、まさに如是の法を説いて菩提心を退させ、二乗〈縁覚乗・声聞乗〉に趣向させてはならない、三宝の種を断ずることとなるためである。六つには、いまだ菩提心を発していない者に、また如是の法を説き、彼をして二乗を志向する心を発させてはならない、本願に違うこととなるためである。七つには、小乗の人および邪見の人に対し、たやすく深妙の大乗を説いてはならない。恐らく彼は(大乗を)謗ることとなり、それによって彼に大災難が訪れるであろうためである。八つには、まさに(常見・断見など)諸々の邪見を発してはならない、善根を断ずることとなるためである。九つには、外道の人に対し、自ら「私は無上菩提の妙戒を具えている」などと説いてはならない。彼は怒り・恨みの心を動機として如是の物を求めるも、ついに得られなければ、彼の菩提心を退かせ、両様に損となるためである。十には、ただ一切の衆生にとって損害となり、あるいは利益となるものでないならば、何であれそのような行為を行ってはならない。および他者に教唆して行わせ、他者が行っているのを見て喜んではならない。利他の法および慈悲心に相違するためである」

「以上、これで菩薩戒を授け終わる。汝らは、まさに以上のごとく清浄に受持せよ。犯させることも無いように」

(汝らは)既に三聚淨戒を受け終わった。

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4.脚註

脚註:沙門覺應

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