真言宗泉涌寺派大本山 法樂寺

現在の位置

五色線

ここからメインの本文です。

‡ 慧警 『無畏三蔵禅要』

解題凡例 |  1 |  2 |  3 |  4 |  5 |  6 |  7 |  8 |  9 |  原文 |  訓読文 |  現代語訳

← 前の項を見る・次の項を見る →

・ トップページに戻る

1.原文

又先爲擁護行人。授一陀羅尼曰

唵 戍馱戍馱

先誦十萬遍除一切障。三業清淨。罪垢消滅。魔邪不嬈。如淨白素易受染色行人亦爾。罪障滅已速證三昧

又爲行者授一陀羅尼曰

唵 薩婆尾提娑嚩二合

持誦之法。或前後兩箇陀羅尼。隨意誦一箇。不可並。恐興心不專

夫欲入三昧者。初學之時。事絶諸境屏除縁務。獨一靜處半跏而坐已。須先作手印護持。以檀慧並合竪。其戒忍方願。右押左正相叉著二背上。其進力合竪頭相拄曲。開心中少許。其禪智並合竪即成。作此印已。先印頂上。次印額上。即下印右肩。次印左肩。然後印心。次下印右膝。次印左膝。於一一印處。各誦前陀羅尼。七遍乃至七處訖。然後於頂上散印*訖。即執數珠念誦此陀羅尼。若能多誦二百三百遍。乃至三千五千亦得。毎於坐時。誦滿一洛叉。最異〈易の誤植であろう〉成就。既加持身訖。然端身正住如前半跏坐以右押左不須結全跏。全跏則多痛。若心縁痛境即難得定。若先來全跏坐得者最爲妙也。然可直頭平望。眼不用過開。又不用全合。大開則心散。合即惛沈。莫縁外境。安坐即訖。然可運心供養懺悔。先標心觀察十方一切諸佛。於人天會中爲四衆説法。然後自觀己身。於一一諸佛前以三業虔恭禮拜讃嘆。行者作此觀時。令了了分明如對目前。極令明見。然後運心於十方世界。所有一切天上人間。上妙香華幡蓋飮食珍寶種種供具。盡虚空遍法界。供養一切諸佛。諸大菩薩。法報化身。教理行果。及大會衆。行者作此供養已。然後運心於一一諸佛菩薩前。起殷重至誠心。發露懺悔。我等從無始來至于今日。煩惱覆心久流生死。身口意業難具陳。我今唯知廣懺。一懺已後。永斷相續。更不起作。唯願諸佛菩薩以大慈悲力。加威護念攝受我懺。令我罪障速得消滅此名内心祕密懺悔。最微妙

このページのTOPへ / 原文へ / 訓読文へ / 現代語訳へ / 語注へ

← 前の項を見る・次の項を見る →

・  目次へ戻る

・ 仏教の瞑想へ戻る

2.訓読文

又た、先ず行人を擁護せんが為に、一陀羅尼を授く。曰く、

唵 戍馱戍馱1

先ず十萬遍を誦して一切障を除く。三業清淨にして、罪垢消滅し、魔邪嬈ず。浄白素の染色を受け易きが如く、行人も亦た爾り。罪障滅し已れば速に三昧2を証す。

又た行者の為に一陀羅尼を授く。曰く、

唵 薩婆尾提娑嚩二合3

持誦の法は、或は前後両箇の陀羅尼を、意に隨て一箇誦せよ。並ぶべからず。恐くは心を興して専らならず。

夫れ三昧に入んと欲する者は、初学の時、事に諸境を絶て縁務を屏除せよ。独一に静処に半跏にして坐し已て、須く先ず手に4を作して護持すべし。檀・慧を以て並べ合せ竪て、其の戒・忍・方・願は、右にて左を押し、正に相ひ叉へて二背の上に著け、其の進・力合せて竪て、頭相ひ拄へ曲げ、心中を開くこと少し許り。其の禅・智を並べ合せ竪て即ち成ず。此の印を作し已て、先ず頂上を印し、次に額上を印して、即ち下りて右肩を印し、次に左肩を印せよ。然して後に心を印し、次に下て右膝を印して、次に左膝を印す。一一の印処に於て、各の前の陀羅尼を誦すこと七遍。乃し七処に至り訖り、然して後に頂上に於て印を散し訖らば、即ち数珠を執て此の陀羅尼を念誦せよ。若し能く多く誦すことあたふれば、二百・三百遍、乃至三千・五千することも亦た得。坐する時毎に誦すこと一洛叉5を満ずれば、最も成就し易し。

既に身を加持し訖りて、然して端身に正しく住して、前の如く半跏坐すべし。右を以て左を押し、全跏を結ぶこと須いざれ。全跏すれば則ち痛み多し。若し心に痛境を縁ずれば、即ち定を得難し。若し先より来た全跏坐するを得る者は最も妙と為す也。然して頭を直くして平に望むべし。眼は過開を用いず、又た全合を用いず。大ひに開けば則ち心散じ、合せば即ち惛沈す。外境6を縁ずること莫れ。

安坐すること即ち訖り、然して運心して供養懺悔すべし。先ず心を標して十方一切の諸佛は、人天の会中に於て四衆の為に説法すと観察し、然して後ち自ら己身は、一一の諸佛の前に於て三業を以て虔恭礼拝、讚嘆すと観ずべし。行者、此の観を作す時、了了分明ならしむこと目前に対するが如くすべし7。極めて明かに見せしめ、然して後ち運心して十方世界に有る所の一切の天上人間の、上妙なる香華・幡蓋・飲食・珍宝と種種の供具をもて、虚空を盡し法界に遍じて、一切諸佛・諸大菩薩・法報化身8教理行果9、及び大会の衆に供養すべし。行者、此の供養を作し已りて、然して後ち運心して一一の諸佛菩薩の前に於て、殷重至誠の心を起して、發露懺悔すべし。

我等無始より来た今日に至るまで、煩悩の心を覆て久しく生死に流れ、身口意業は具に陳べ難し。我れ今、唯だ知りて広く懺す。一たび懺して已後、永く相続を断ちて、更に起作せず。唯だ願くは諸佛菩薩、大慈悲力を以て、加威護念して我が懺を攝受し、我が罪障を速かに消滅することを得せしめたまえと此を名けて内心祕密懺悔と云ふ。最も微妙なり

このページのTOPへ / 原文へ / 訓読文へ / 現代語訳へ / 語注へ

← 前の項を見る・次の項を見る →

・  目次へ戻る

・ 仏教の瞑想へ戻る

3.現代語訳

また、先ず行者を擁護するために一陀羅尼を授ける。

唵 戍馱戍馱
(oṃ śuddha śuddha)

先ず(この陀羅尼を)十万遍誦し、一切障を除くのである。三業清淨にして罪垢消滅し、魔邪に煩わされることはない。浄らかな白色はその他の色によって染められ易いように、行人もまた同様となる。罪障が滅せられたならば、速かに三昧〈samādhi. 三昧・三摩地。心が集中し安定した状態〉を証すであろう。

次に、行者のために一陀羅尼を授ける。

唵 薩婆尾提娑嚩二合
(oṃ sarvavide svāhā)

(以上、二つの陀羅尼を)持誦する法は、あるいは前後二つの陀羅尼どちらかを、意に隨て一つのみ誦せ。併せて行ってはならない。(併せて行うことにより、)恐くは心が騒ぎ落ち着かず、専らにすることができないであろう。

そもそも三昧に入らんと欲する者は、初学の時には、事に諸境〈様々な対象・事物に心を奪われる事〉を絶ち、諸々の義務・日常の営為を止めよ。独り閑静なる処に半跏坐し、すべからく先ず手に印〈mudrā. 密印〉を結んで護持せよ。檀・慧の指を並べ合わせ立て、戒・忍・方・願の指は、右で左を押し、正しく交差して二背の上に付け、その進・力を合せて立てて、頭を相支えて曲げ、心中を開くこと少しばかり。その禅・智を並べ合せ立てることによって(密印を)成すのである。この印を結んでから、先ず頂上を印し、次に額上を印して、すなわち下って右肩を印し、次に左肩を印せよ。そして後に心を印し、次に下って右膝を印して、次に左膝を印す。一つ一つの印処に於いて、それぞれ前の陀羅尼を誦すこと七遍。乃し七処すべて行ったならば、後に頂上にて印を散ずる。そして、数珠をとってこの陀羅尼を念誦せよ。もしよく多く誦すことが出来るのであれば、二百遍、三百遍、乃至三千遍、五千遍と誦せ。坐す毎に誦して一洛叉〈lakṣa. 十万回〉に至ったならば、最も成就し易い。

すでに身を加持したならば、姿勢を正しく保ち、前の如く半跏坐せよ。右足を以て左足を押し、結跏趺坐を結んではならない。結跏趺坐したならば則ち痛みが多くなる。もし心に痛みを感覚したならば、定〈三昧の漢訳〉が得難くなる。もっとも、以前より結跏趺坐に慣れている者は最妙の座法である。そして、頭を直くして、平らかに顔を向けよ。眼は全開にしてはならず、また完全に閉じてはならない。眼を大きく開いていれば心は散じてしまい、完全に閉じてしまったならば沈み込んでしまう。外境の感覚に惑わされてはならない。

安坐したならば、運心して(諸仏を)供養し、懺悔せよ。先ず心を鎮めて、十方一切の諸仏が、人と天とが集う会座にて、四衆の為に説法していると観相〈眼根によって現実の色(物質)を知覚するのではなく、意根において何らかの影像を想起すること〉。そうして後、自らが、一人一人の諸仏の前にて、三業〈身体・言葉・意識〉を以ってつつしみ恭しく礼拝、讚嘆すると観想せよ。行者がこの観想を為す時は、はっきりとあきらかに、あたかも目前にあるかのようにしなければならない。極めて明らかに観相して見てから、運心して十方世界の一切の天上・人間世界の上妙なる香華・幡蓋・飲食・珍宝と様々な供養具を以て虚空を満たし法界に遍じて、一切諸仏・諸大菩薩・法身・報身・化身と、(仏陀の)教・理・行・果、および大会座の大衆に供養せよ。行者は、そのように供養を為して後、運心して一人一人の諸仏・菩薩の前にて、殷重至誠の心を起して發露し、懺悔せよ。

「私達は、無始よりこのかた今日に至るまで煩悩に心を覆われ、永きにわたって生死流転してきました。その(為してきた)身業・口業・意業については具に述べ難いほどである。私は今、ただ(自身の為してきた悪業が計り知れないことを)知って、ここに全て懺悔いたします。ここに一度懺悔して以降、永く悪業の相続を断って、更に行いません。ただ願くは、諸仏・菩薩よ、大慈悲力をもって加持護念して私の懺悔を摂受し、私が罪障を速かに消滅することを得させて下さりますように」これを内心祕密懺悔といい、最も微妙なるものである。

このページのTOPへ / 原文へ / 訓読文へ / 現代語訳へ / 語注へ

← 前の項を見る・次の項を見る →

・  目次へ戻る

・ 仏教の瞑想へ戻る

4.脚註

脚註:沙門覺應

このページのTOPへ / 原文へ / 訓読文へ / 現代語訳へ / 語注へ

← 前の項を見る・次の項を見る →

・  目次へ戻る

・ 仏教の瞑想へ戻る

解題凡例 |  1 |  2 |  3 |  4 |  5 |  6 |  7 |  8 |  9 |  原文 |  訓読文 |  現代語訳

・ トップページに戻る

メインの本文はここまでです。

メニューへ戻る


五色線

現在の位置

このページは以上です。