真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺

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1.波羅提提舎尼法

波羅提提舎尼法とは

波羅提提舎尼(はらだいだいしゃに)法とは、比丘が食事の供養を受けるときについての禁止事項で、これに四ヶ条あります。

もし比丘が、この禁止事項に違反した場合、一人の長老比丘に対して律蔵に規定された言葉どおりに告白し懺悔すれば許されます。

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2.滅諍法 戒相

第一 村中取非親尼食戒(そんちゅうしゅひしんにじきかい)

比丘が、村または町で托鉢して、血縁関係のない比丘尼から食の供養を受ければ、波羅提提舎尼である。一人の長老比丘に対して「大徳、我れ可呵法を犯せり。なすべからざる所なり。我れ今、大徳に向かって悔過す」と懺悔しなければならない。

これは、世間の人々が、その比丘と比丘尼とが、男女の関係にあるのではないかなどと疑ったり、誤解することを避けるための規定である。

第2 比丘尼偏心授食戒(びくにへんしんじゅじきかい)

比丘が、在家信者の食事の招待を受け、その家で食事の供養をされているとき、同席していた比丘尼が「あの方にはご飯を」「あの方には羮(あつもの)を」などと在家信者に向かってあれこれと指示を出していれば、「大姉よ、しばらく止めよ。諸比丘が食しおわるのをまて」と言って、それを止めさせなければならない。もしその比丘尼が指示を出しているのを止めなければ、波羅提提舎尼である。一人の長老比丘に対して「大徳、我れ可呵法を犯せり。なすべからざる所なり。我れ今、大徳に向かって悔過す」と懺悔しなければならない。

第3 学家受食戒(がくけじゅじきかい)

熱心な在家信者であり、僧伽に多大な財産を惜しまず寄付した人を意味する「学家(がくけ)」であると僧伽が認定した在家信者の家に、比丘が、招待されてもおらず、また病気でもないのに食事の供養を乞いに行って食事をとれば、波羅提提舎尼である。一人の長老比丘に対して「大徳、我れ可呵法を犯せり。なすべからざる所なり。我れ今、大徳に向かって悔過す」と懺悔しなければならない。

これは、財産に頓着せず僧伽に布施をする在家信者が、破産するほどその財をなげうってしまうことを防ぐための規定である。

第4 恐怖蘭若受食戒(くふらんにゃじゅじきかい)

阿蘭若(あらんにゃ)と呼ばれる閑静な、ともすると盗賊や猛獣などが出没して危難が起こりうる場所で修行する比丘が、病気でもないのに、その地が危険のひそむ場所であることを在家信者に伝えずに、食事の供養を運ばせてそれを受ければ、波羅提提舎尼である。一人の長老比丘に対して「大徳、我れ可呵法を犯せり。なすべからざる所なり。我れ今、大徳に向かって悔過す」と懺悔しなければならない。

これは、仏教を信仰し、熱心に僧伽に供養をする在家信者を守る規定である。また、もしそのような在家信者が、何も知らずに危険な目にあい、僧伽が世間から非難されることを避けるための規定でもある。

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