真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺

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‡ 四波羅夷法

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1.波羅夷法

波羅夷とは

波羅夷(はらい)とは、僧侶が最も行ってはならない重罪をいう言葉です。それは、比丘である者がこれを犯せばただちに僧伽から追放され、いくらその罪を悔いて懺悔したとしても、二度と比丘となることは出来ないほど重大な罪です。このようなことから、これを漢語で「不応悔罪(ふおうけざい)」・「断頭罪(だんとうざい)」ということがあります。

人が比丘となるためには、具足戒を受けなければなりませんが、その受戒時、250項目の一々がその人に告げられることはありません。しかし、この四条からなる波羅夷は、受戒時に新しく比丘となる者に、必ず言い聞かせられることになっています。

出家して日が浅く、律の規定一々について知らないうちに、何か罪を犯してしまっても波羅夷以外の罪ならば懺悔によって許されます。しかし、この波羅夷だけは、正式な出家者である比丘にとって、どうあっても許されない罪であるためです。

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2.波羅夷法 戒相

第1 婬戒(いんかい)

相手が異性であれ同性であれ、または動物であろうと、あらゆる種類の性交渉を行えば波羅夷。性交の部位が性器以外の、肛門・口などいずれであろうとも波羅夷となる。ただちに比丘としての資格は消滅し、僧団から追放される。

ただし例外として、婬戒を犯してもすぐに後悔の念がおこり、それを隠すことなく僧伽に告白・懺悔したならば、もちろん比丘ではなくなるが、僧伽と本人の意思次第で沙弥または寺男・浄人として僧団内に残留することが可能ではある。これを「波羅夷比丘(はらいびく)」という。

第2 盗戒(とうかい)

町や村または修行所において、いまだ与えられていない物を、盗心をもって盗れば波羅夷。ただちに比丘としての資格は消滅し、僧団から追放される。ただし、盗んだ物の価値が五銭以上のものの場合。五銭以下の場合は、もちろん犯戒ではあるが波羅夷とはならず、追放処分とはならない。

第3 殺人戒 (せつにんかい)

人を意図的にみずから殺害、またはそのための凶器を他者に渡して人を殺害させれば波羅夷。また、死を賞讃して人に自殺を勧め、その方法や手段を教授して実際にその人が自殺しても波羅夷である。ただし、意図せずしてなんらかの事故を起こし、結果的に人が死に至った場合は無罪である。

第4 大妄語戒(だいもうごかい)

いまだ到達してもいない境地に到ったと虚言をはけば波羅夷。例えば「私は佛陀となった」「私は阿羅漢である」「私は聖者、賢者の境地に到達した」などという類の虚言。ただし、その人が増上慢 [ぞうじょうまん:未熟であるにもかかわらず、自分を過信して思い上がること。自らの境涯が高いものであると過信し増長すること] の状態であったと僧伽が認めたならば、波羅夷とはならない。

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