真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺

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‡ 二不定法

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1.不定法

不定法とは

不定(ふじょう)法とは、比丘が波羅夷法または僧残法、波逸提(はいつだい)法のいずれかを犯したり、また嫌疑をもたれるような状況に身を置くことを禁じた規定です。不定法は、信頼しうる篤信の女性在家信者から、僧伽に対して比丘がいずれかの罪を犯したのを見た、との告発があった場合にのみ成立します。

不定法を犯したと告発された比丘は、僧伽に対してその罪状認否を行います。もしここでその比丘が罪を全く認めなかった場合は、女性在家信者の告発した罪が、例えば波羅夷であれば、そのまま適用されます。罪を認めて自白した場合は、その罪に対応する罰則を適用します。

不定法を犯したとして告発され、それが確かに罪であったとした場合、適用される罪は7つの内のいずれかとなります。その7つとはすなわち「婬戒」(波羅夷法)・「摩触女人戒」(僧残法)・「与女人麁語戒」(僧残法)・「嘆身索供養戒」(僧残法)・「共女人宿戒」(波逸提法)・「与尼独屏処坐戒」(波逸提法)・「食家屏坐戒」(波逸提法)です。

ここでもっとも重要なのは、不定法の告発権をもった「信頼しうる篤信の女性在家信者」、戒文の言葉でいうと「往信の憂婆夷(うばい)」の存在であると言えますが、具体的に何をもって「往信の憂婆夷(うばい)」とするかは律蔵によって一定していません。

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2.不定法 戒相

第1 屏処不定戒(びょうしょふじょうかい)

比丘が、外からその中が見えず性行為が可能な場所で、女性と二人だけで座っているのを、篤信の女性在家信者に見られ、それが波羅夷法もしくは僧残法、または波逸提法を犯していると疑われて、僧伽に告発されれば不定となる。

戒文では、ただ二人でいるところを見られるだけではなく、「不法の語を説」いているのを見られ、それを篤信の女性在家信者に告発されれば不定となるとしている。「不法の語」とは、淫らな言葉を指す。しかし、実際に聞かれずとも、そのようなことを語っているのではないか、もしくは性行為を行っているのではないかなどと疑われて告発されても、不定となる。

第2 露処不定戒(ろしょふじょうかい)

比丘が、外から容易に中を見ることができる性行為が不可能な場所で、女性と一所に座り、淫らな性行為にまつわる話をしているのを、篤信の女性在家信者に見られ、あるいは聞かれて、それが僧残法または波逸提法を犯していると疑われ、僧伽に告発されれば不定となる。

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