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原文 |
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現代語訳
宋天竺三藏 求那跋陀羅 譯
如是我聞。一時佛住迦毘羅越尼拘律樹園中。爾時釋氏摩訶男。詣尊者迦磨比丘所。禮迦磨比丘足已。退坐一面。語迦磨比丘言。云何尊者迦磨。學住者爲即是如來住耶。爲學住異如來住異。迦磨比丘答言。摩訶男。學住異如來住異。摩訶男。學住者。斷五蓋多住。如來住者。於五蓋。已斷已知。斷其根本。如截多羅樹頭。更不生長。於未來世。成不生法。一時世尊。住一奢能伽羅林中。爾時世尊。告諸比丘。我欲於此一奢能伽羅林中二月坐禪。汝諸比丘。勿使往來。唯除送食比丘及布薩時。廣説如前。乃至無學現法樂住。以是故知。摩訶男。學住異如來住異。釋氏摩訶男聞迦磨比丘所説。歡喜從座起去
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宋天竺三藏 求那跋陀羅 訳
是の如く我れ聞けり。一時、佛、迦毘羅越*1 の尼拘律樹園*2 の中に住しき。爾の時、釋氏摩訶男*3 、尊者迦磨*4 比丘の所に詣り、迦磨比丘の足に礼し已て退きて一面に坐し、迦磨比丘に語て言はく。云何が、尊者迦磨、学住*5 とは即ち是れ如來住*6 と為すや。学住異り、如来住異ると為すや。迦磨比丘答へて言はく。摩訶男、学住異なり、如来住異なる。摩訶男、学住とは、五蓋を断じて多く住することなり。如来住とは、五蓋を已に断ずと已に知ることなり。其の根本を断ずること多羅樹の頭を截るが如く、更に生長せず、未来世に於て不生法を成ずるなり*7 。一時、世尊、一奢能伽羅林中に住しき。爾の時、世尊、諸の比丘に告げたまはく。我れ此の一奢能伽羅林中に於て二月坐禅せんと欲す。汝、諸の比丘、往来せしむること勿れ。唯だ送食の比丘及び布薩時を除く。廣說すること前の如し。乃至無学の現法楽住なればなり。是を以ての故に知る。摩訶男、学住異なり、如来住異なることを。釋氏摩訶男、迦磨比丘の所説を聞きて歓喜し、座より起て去りき。
訓読文:沙門覺應
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宋天竺三藏 求那跋陀羅 訳
このように私は聞いた。ある時、仏陀は迦毘羅越(カピラヴァットゥ)の尼拘律(ニグローダ)樹園の中に留まっておられた。その時、釈氏摩訶男(マハーナーマ)は、尊者迦磨比丘の所を訪ね、迦磨比丘の足を礼拝した。そして、すこし退いてから(迦磨比丘の)一面に坐し、迦磨比丘に語った。「尊者迦磨よ、学住とはすなわち如来住でしょうか。学住と如来住とは異なるものでしょうか」。迦磨比丘が答えて言った。「摩訶男よ、学住と如来住とは異なるものである。摩訶男よ、学住とは、五蓋を断じて習熟すること。如来住とは、五蓋をすでに断じ終わったと知ることである。その根元を断つことは、多羅樹の頭を切るようなものであって、さらに生長することはない。未来世において不生法を成ずるのである。ある時、世尊は一奢能伽羅林の中に留まっておられた。その時、世尊は語られたのには「比丘たちよ、私はこの一奢能伽羅林の中において二ヶ月間坐禅したい。比丘たちよ、汝らは(私のところにこの二ヶ月間は)往来しないように。ただし、(毎日私のもとに)食を届ける比丘と布薩(に比丘が全員集まる)時は除く。…(広く説くところは先に述べたのと同様であり中略)…無学の現法楽住であるからである」と。このようなことから知られるであろう、摩訶男よ、学住と如来住とは異なることが」。釈氏摩訶男は、迦磨比丘の所説を聞いて歓喜し、座より立って去った。
現代語訳:沙門覺應
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* 『雑阿含経』第808経…SN. M/A,“Kaṅkheyyasutta”に対応し、ほとんど全く同内容。ただし、パーリ経典の冒頭は仏陀の在所ではなく、‘Ekaṃ samayaṃ āyasmā lomasakaṃbhiyo sakkesu viharati kapilavatthusmiṃ nigrodhārāme.’(ある時、尊者ローマサカンビヤはカピラヴァットゥのニグローダ樹園にて、釈迦族(の者達)の中で留まっていた。)とあって、この経の説者となる比丘のあった場所をいう。パーリ経典では、この経典中に仏陀は直接一度も姿をあらわさず、ただ比丘が引用する経典(前経No.807)の中で間接的に登場する。
脚注:沙門覺應(慧照)
(Annotated by Bhikkhu Ñāṇajoti)
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